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小笠原です。


改稿いただいたので続き。


その前に、お断りですが。

私は、こういう機能紹介のような文章の場合は、「英語と一対一に
対応していること」よりも「原文が説明したいと思っていることを
日本語で説明するよい文章を組み立てるとしたら」という視点で考
えますので、多分、英文和訳としては良くない点もあると思います。
かなり原文の構造を捨てて文章作りなおしていますし。

あくまでも「私ならこうする」「こういう思考回路を通る」という
説明なので、「私の訳を採用してください」という意味ではありま
せんし、私の真似をしろという意味でもありません。
参考になればという程度ですので、そのつもりでお読みください。

# 間違いもあると思います。指摘歓迎。

あと、かなりキツイ表現をしていることもありますが、頭にぱっと
浮かんだ表現をまんま書いているので、その点はご容赦を。


さて内容に入る前に、先のメール、書きかけの文がありました。

As such LibreOffice 5 serves as the foundation of our
current developments and is a great plaftorm to extend,
innovate and collaborate with!
<snip>
なお、先ほどはitは訳さないのがいいと書いたのに対し、ここで
ourを訳しているのは、current development

ここです。

言いたかったことは、"our" current developmentsに対して、
great platformは「我々以外の」に対応しているのかな、と思った
ので、対比であることを明示するために「我々の」を残したという
ことです。



LibreOffice 5.0 ships an impressive number of new features for its
spreadsheet module, Calc: complex formulae image cropping, new functions,
more powerful conditional formatting, table addressing and much more.

LibreOffice 5.0はその表計算モジュール、Calcのために、素晴
らしい数多くの新機能を提供します:多様な方法の画像トリミン
グ、新しい関数、よりパワフルな条件付き書式設定、テーブル・
アドレッシング、そしてさらに多く。


「多様な方法の画像トリミング」は可能性としてはありますね(ハ
ンドルバーで画像をcropできるようになったことを指しています)。

これは前のメールで書き忘れたのですが、日本語として「そしてさ
らに多く。」で終わる文って、読んでおかしいと思いませんか?
もっと日本語として普通の言い回しを探す努力をされてもよいかと
思います。

何度もいうようですがこれは英語力の問題ではなく、日本語として、
新機能を紹介する文章としてふさわしい文になっているか、という
話です。

文として完結した形を取るのであれば:

「その他数多くのものがあります。」

としてもよいですが、原文に近い感じなら、単に:

「などなど。」

でもよいかもしれません。much moreよりは弱い語になってしまい
ますが、自然に読める方を私なら取ります(ここは違う意見の方が
いるかもしれません)。

Calc's blend of performance and features makes it an
enterprise-ready, heavy duty spreadsheet application
capable of handling all kinds of workload for an
impressive range of use cases.

Calcのパフォーマンスと機能の一体化はそれをエンタープライズ
向けにします、極めて丈夫な表計算アプリケーションは、大きな
範囲の使用事例のための全ての作業負荷などを処理する能力があ
ります。

正直申し上げて、「エンタープライズ向けにします、」のような読
点の使い方をする日本語はありえないと思います。
でき上がった日本語をもうちょっと慎重に読んでいただければと。

(こういう文は機械翻訳の結果としてよく出てきますね。構文が取
れないときに、乱暴にカンマを読点に置き換えてしまうという。)


文の構造としては、

Calcのblend of performance and featuresが、
it (= Calc自身) を、
- enterprise-ready, (and)
- heavy duty
spreadsheet application
  (which) capable of handling all kind of workload ....
にする(make)

と私は読みました(誤読してるかも)。

つまりこのカンマはenterprise-readyとheavy-dutyを並列にすると。
なお、heavy-dutyは「丈夫な」とか「酷使に耐える」といった意味
ですが、単に「ヘビーデューティ」でもいい気がします。


あと、「パフォーマンスと機能の一体化」という言葉から、なにを
いいたいのか私はイメージがわきません。パフォーマンスと機能は
別の軸のものですから、一体化できるとは思えないからです。

ブレンド、という言葉から「二つのものが合わさって」みたいなイ
メージなのかな、と私は考えます。つまり、パフォーマンスだけで
もなく、機能だけでもなく、その両者が優れていることがポイント
なのかなと。

ということでこんな感じでしょうか。

「パフォーマンスと機能の両面によって、Calcはエンタープライズ
向け、かつヘビーデューティな、さまざまな用途においていかなる
種類の負荷にも耐えうる表計算アプリケーションとなっています。」

無生物主語の文をそのまま訳すと直訳臭くなるので、「によって」
という表現に変えてます。


A beautiful office suite designed by a fantastic community

優れたコミュニティーによってデザインされた美しいオフィスス
イート

間違いとはいえないですが、「fantastic」 は「優れた」よりも
「すばらしい」という主観的な語なので、それは大事にしたいです。

New icons, major improvements to menus and sidebar :
no other LibreOffice version has looked that good and
helped you be creative and get things done the right
way.

新しいアイコン、メニューとサイドバーの重要な改良: 他の
LibreOfficeバージョンではなかったが、良く見えるようになり、
クリエイティブに目的を手に入れられるよう手助けをするように
なり、正しい方法で行うようになった。

敬体と常体が入り混じっていますね。敬体に統一しましょう。

major improvementsは「大幅な改善」でしょうね、重要よりかは。

「他のLibreOfficeバージョンではなかった」も日本語としては不
自然に感じます。「LibreOfficeバージョン」は「LibreOfficeのバー
ジョン」か「バージョンのLibreOffice」になるでしょう。
no other は強意であって、日本語として「他」という訳を当てる
よりかは、「以前の」といって、別のやりかたで強意を示したほう
がいいと思います。

「これまでのバージョンのLibreOfficeでは成し得なかったような、
見た目よく、創造性を助け、物事をあるべきようにするものになっ
ているのです」

とかかなあ。かなり作文しています。

In addition, style management is now more intuitive thanks
to the visualization of styles right in the interface.

さらに、スタイル操作は、インターフェースのスタイルの視覚化
の結果より直感的になりました。

style managementはそのまま訳すと「スタイル管理」になるかと思
いますが「操作」としたのは意図的ですか?
サイドバーのスタイル選択などにも関わる話なので、管理に限って
おらず、「操作」のほうが適切かなと私も思いますけど。

この文章はまあ間違いというほどではないですが、少し読みにくい
ところもあります。

the interfaceなので、これは「スタイル操作のUI」のことですよ
ね。定冠詞が指しているものを意識すると明確な翻訳になります。

単語「rigit」が訳漏れな気がします。「スタイルの*正しい*視覚
化」ですよね。

で、「の」でいっぱい単語をつなげるのも気になりますし、私なら
こうするかな。ちょっと超訳です。

「さらに、ユーザーインターフェースのスタイル表示を正しく視覚
化したことにより、スタイル操作がより直感的になりました。」


Better filters, better documents

より良いフィルター、より良いドキュメント

これはよさげですね。

LibreOffice 5 ships with numerous improvements to document
import and export filters for MS Office, PDF, RTF, and
more.

LibreOffice 5は、MS-Office、PDF、RTF、より多くのものに対応
した、ドキュメントのインポート、エクスポートフィルターの多
くの改良を積載しています。

間違ってはいないと思いますが、英語の語順を活かしたほうが読み
やすくなったりします。

「 LibreOffice 5では、インポートおよびエクスポートフィルター
に多くの改善を施しています。フィルターはMS Office、PDF、RTF
などです。」

細かいですが改良は「搭載」しないかと。

You can now timestamp PDF documents generated with
LibreOffice and enjoy enhanced document conversion
fidelity all around.

ここは訳漏れですね。荒く訳すと、

「LibreOfficeによって生成されたPDFドキュメントをタイムスタン
プしたり、改善されたドキュメント交換を正確に色んな人と楽しむ
ことができます。」




Better, faster, more stable
より良く、より速く、もっと安定した

間違いではないですが、言い回しを揃えたいですね。

「より良く、より速く、より安定に」

LibreOffice 5 combines innovative features and long term
efforts towards enhanced stability.

LibreOffice 5は革新的な機能や改良された
安定性へ向けた長期間の成果を統合しています。

訳としてはあってますが、

「LibreOfficeでは、核心的な機能と、長期にわたる安定性向上の
成果が結びついています。」

ぐらいにしたほうが読みやすいかと。


As a result, expect both improvements in performance and
in stability over the lifetime of the 5.0.x series.

結果として、性能の改良と5.0シリーズの提供年数を超える安定
性の両方を期待できます。

5.0「.x」を落としたのは意図的ですか?

このoverは「超えた」ではなくて、提供年数(?)の間ずっとって
ことではないでしょうか。

expectは確かに「期待できます」なんですが、なんか日本語だと他
人事感があってやだなあ。

As a resultを「結果として」と訳すのはいかにも辞書的。

「そのため、5.0.x シリーズのサポート期間を通じて、性能と安定
性の両方の改善を見込めます。」


~~~~~~~~~~~~~~~

こんなものでしょうか。

繰り返しますけど「これが正しい」というつもりはないです。
参考になるところがあれば幸いです。


では。
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Naruhiko Ogasawara (naruoga@gmail.com)

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